- IT未経験だけど、ITエンジニアへ転職できるの?
- ITエンジニアは、どんな仕事があるの?
- 資格を取ってから、転職活動をした方が良い?
- プログラミングスクールに通った方が良いの?
上記の疑問を持つ方向けに、IT業界で10年以上のキャリアを持つ私が、IT未経験でも転職可能なこと、IT業界と職種、エンジニアのメリット・デメリット、転職戦略、勉強方法について丁寧に解説します。
IT業界は人手不足なので未経験でも転職可能
IT市場は人手不足
経済産業省が2019年3月に公開した「 IT 人材需給に関する調査」では、2030年にIT人材が16~79万人不足すると試算されています。

転職サイトのDODAが発表している「転職求人倍率レポート」で、2020年12月の求人倍率は、全体が2.02に対し、IT・通信は5.78と、他業種と比べてかなり高いです。
また、2014年4月以降、IT・通信の求人倍率は4倍後半~9倍程度で推移しており、直近6年以上高止まりしています。
ユーザ企業もITエンジニアを求職
直近までは、ユーザ企業(ITを利用する側の企業)が、IT企業にほぼ丸投げして、システムの開発や保守を行うことが多かったです。
しかし、ユーザ企業のデジタル推進に伴い、ユーザ企業でITエンジニアを増員しており、IT企業でも継続的にITエンジニアが必要になります。

ITエンジニアを必要とする企業が増えることからも、ITエンジニアの需要は今後も増えると思われます。
ITエンジニアのメリットとデメリット
ITエンジニアのメリット
- 転職が容易
ITエンジニアは専門性があり、ほとんどの業界で必要とされるスキルになりつつあります。求人倍率が高く、。業界問わず転職できるため、転職は容易と言えます。 - テレワークでゆとり時間増
ITエンジニアはテレワークしやすい職種です。実際、私もコロナ禍でほとんとテレワークで業務が遂行できています。通勤がなくなりプライベートの時間が増えて、平日にゆとりが出ます。 - フレックスによる柔軟な出退勤
IT業界は、フレックス制度が整っている会社が多いです。早くいって早く帰る。今日は残業して、明日は定時より早く帰るなど、柔軟な出退勤が可能なため、プライベートや家族との都合をつけやすいです。 - 私服OK
IT業界は、私服OKの会社が多いです。出勤前に服を選ぶのは若干手間ですが、日中は快適に過ごせます。
ITエンジニアのデメリット
- ITに興味がないとしんどい
誰にでも向き不向きがあります。IT業界は技術の進歩が速く、絶えず学び続けなければいけません。ITに興味がなければ、とても苦痛に感じてしまいます。 - 長時間労働
働き方改革で、改善されつつありますが、IT業界は労働時間が長いです(厚生労働省のサイト)。職場にもよるので、労務管理を適切に行っている会社へ転職することをおすすめします。 - ストレスが多い
ミスが許されないシステムの開発や保守、人間関係などでうつになる方が多いIT業界(過労による精神疾患でワースト1、IT業界が変われない理由)。周りに助けを求めづらいSES(技術者の派遣サービス)中心の会社は、転職先から外した方がよいです。
IT業界と職種
IT業界
業界の種類 | 業界の説明 | 代表的な企業 | |
情報処理 サービス |
SIer(システムの構築や保守を行う企業) | お客さまの業務を把握・分析して、システムの構築や保守を行うIT企業。 SIerは、System Integration(システム開発や運用などを請け負う事業またはサービス)の略称SIにerをつけた言葉。 |
NTTデータ 日本IBM TIS |
SES(技術者の客先常駐サービス) | 技術者の労働を派遣する会社。ただし、派遣契約と違い、指揮系統は派遣する側にある。 SESは、System Engineering Serviceの略。 |
ー | |
ハードウェア | 家電、自動車、スマホ、パソコンなどハードウェアの開発・製造・販売を行う企業。 | 日立 日本HP シャープ |
|
ソフトウェア | パソコンやスマホ上で動くアプリケーションを提供する企業 | 日本オラクル SAPジャパン DeNA |
|
Web関連 | Webサイト制作、インターネット広告、SNS、ショッピングサイトなどWeb関連のサービスを提供する企業 | ヤフー LINE ZOZO |
SESは、指揮系統は請負側にあるが、客先常駐で働くので、
- 周りからフォローを得づらい
- 休みを取りづらい
- 偽装請負の温床で、労働条件が悪化しやすい
- 末端の仕事が多いので、キャリアアップしづらい
の問題が発生することが多いです。
SES企業は、ステップアップのための1次的な就職先と考えた方が良いです。
IT職種
分類 | 職種 | 主な仕事内容 | |
システムエンジニア(プログラマー含む)
|
アプリ系 | Webエンジニア | Webで動作するシステムやアプリの開発や保守を行う。 ブラウザ側の開発やデザインを請け負うのをフロントエンジニア、 サーバ側の開発や構築を行うのをバックアップエンジニアと呼びます。 |
業務系エンジニア | 企業向けのシステムやアプリを開発や保守を行う。 | ||
モバイルエンジニア | スマホ向けアプリの開発や保守を行う。 | ||
ゲームエンジニア | ゲームの開発や保守を行う。 | ||
RPAエンジニア | RPAの開発や保守を行う。 | ||
エンベデッドエンジニア(制御・組み込みエンジニア) | 家電や機器などに組み込まれたコンピュータを制御するためのシステム開発や保守を行う。 | ||
インフラ系 | サーバーエンジニア | サーバー機器の構築、インストール・設定、保守を行う。 | |
セキュリティエンジニア | セキュリティに考慮したシステムやネットワークの設計や運用、サーバ攻撃に対する対策など、情報システム全般のセキュリティ対策を行う。 | ||
データベースエンジニア | データベースの設計や運用を行う。 | ||
ネットワークエンジニア | ネットワークの設計や運用を行う。 | ||
IoTエンジニア | IoT(Internet of Things)製品や技術を利用して、システムの開発を行う。 | ||
クラウドエンジニア | AWSやAzureなどのクラウドを利用したインフラ構築や保守を行う。 | ||
クリエイター
|
Webディレクター | Webサイト制作の統括を行う。 | |
Webデザイナー | Webサイトのデザインやコーディングを行う。 | ||
Webプランナー | Webサイト作成する際にクライアントからの要望を元にコンテンツの企画設計を行う。 | ||
AIエンジニア/アナリティスト
|
機械学習エンジニア | 機械学習モデルの実装や検証、検証環境の基盤構築を行う。 | |
データサイエンティスト | ビッグデータから必要な情報を抽出して分析を行う。 | ||
データアナリスト | 収集したデータを分析して、主に統計の観点から問題解決を行う。 | ||
営業・コンサルタント
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ITコンサル | 企業のIT戦略の策定や導入システムの最適化の提案を行う。 | |
セールスエンジニア | 技術的な側面から営業のサポートを行う。お主に営業に同行して、お客様へ専門的な知識を用いて製品の説明を行います。 | ||
マネジメント
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プロジェクトマネージャ | プロジェクト全体の管理、社内外の人間との折衝を行い、プロジェクトの目的を達成させる仕事です。 | |
プロジェクトリーダー | 担当領域の取りまとめ、問題解決を行い、プロマネージャを補佐する仕事です。 | ||
企画・マーケティング
|
Webマーケター | WebサイトやWebサービスのコンテンツの充実や集客を行う。 | |
サービス企画 | 新規サービスの企画や既存サービスの改善を行う。 | ||
システム運用・保守
|
運用監視 | システムやネットワークに異常がないかの監視を行う。 | |
フィールドエンジニア | 顧客の元に出向き、保守点検や機器の修理や交換を行う。 | ||
ヘルプデスク | エンドユーザーからの製品やサービスに関する問い合わせに対応する仕事です。 | ||
社内SE | 社内SE | 社内システムの開発や保守、社内インフラの整備や保守を行う。最近では、DXの推進を求められることもあります。 |
ITエンジニアへ転職するための基本戦略
なるべく早く転職する
ITエンジニアが企業から評価されるのは、業務経験です。IT未経験者は、業務経験がないため、大きなハンデを背負います。
そのため、IT未経験でITエンジニアへ転職する場合、年齢(若さ)が重要になります。
若い方が吸収力が高く伸びしろを期待出来るからです。
従って、資格取得やプログラミングスクールに通うことより、転職活動を優先して、少しでも若いうちに転職することをおすすめします。
※もちろん転職活動と並行して、ITの勉強をした方がよいです。
転職活動は、専門知識のある転職エージェントと相談しながら進めるのがおすすめです。
IT業界、20~30代に強い転職エージェント
・ウズキャリ第二新卒|既卒・第二新卒の内定率83%以上
※10代~20代の第二新卒、既卒向けのエージェント
・マイナビエージェント×IT|IT・Web業界に強い
※首都圏・関西圏の20代~30代向けのエージェント
・転職のリクルートエージェント | 転職業界実績No.1
※転職を少しでも考えいるのであれば、登録した方が良いエージェント。
いきなり転職エージェントと相談するのは気が引ける、、、という方は転職サイトに登録して、自分のペースで転職活動を進めると良いです。
転職サイト
・転職サイトのリクナビNEXT | 圧倒的な求人数
※リクルートエージェントとは、別のサービス。転職サイト最大手
・マイナビ転職 | 地方の求人に強い
※未経験でも応募できる求人が多い
自社で経験を積む
自社の社内IT部門へ異動
転職だけがITエンジニアになる方法ではありません。
社内に社内IT部門があれば、異動願いを出して、ITの業務経験を積むのも手段の一つです。
ITの業務経験を積んでから転職活動を行うと、選択肢が増えます
自社でRPA開発
最近は、RPA (Robotic Process Automation)を導入する企業が増えています。
もし、自分の部門でRPAを導入する話があれば、手を上げて開発の経験を積むと良いです。
IT未経験者ではなくなり、業務知識×RPAの開発スキルを持てるので、転職活動を行いやすくなります。
RPAとは何かは、以下記事を読んでください。

https://penrako.com/rpadescription/(別ウインドウ)
ITエンジニアへの年齢別転職戦略
20代前半(第二新卒)
20代前半の第二新卒であれば、IT未経験でも採用する会社は多いです。
社会人としての教育受けていて、若さもあるからです。
第二新卒であれば、転職先で新卒者と同じ教育を受けされてもらえる場合があります。
給料をもらえて教育を受けられるので、一石二鳥です。
20代後半
20代後半でも、IT未経験で採用する会社はあります。
年齢(若さ)が大切なので、なるべく早く転職活動を始めると良いです。
以下の活動については、
- ITの資格を取る
- プログラミングスクールに通う
- ポートフォリオ(自分の成果物)を作る
転職活動を優先しつつ、並行して勉強する形で進めましょう。
30代以降
30代以降は、20代と比べてIT未経験で採用する会社が減ります。
30代以降はポテンシャルで評価される部分が減るため、ITの資格を持っている、ポートフォリオ(自分の成果物)がある、前職の経験を活かせるなど、具体的なものを求められます。
ITの勉強をして具体的な成果を作りつつ、転職活動を行うと良いです。
ITエンジニアになるための勉強方法
資格取得に向けた勉強
ITエンジニアになるのあれば、国家試験の「基本情報技術者試験」程度の知識は必須です。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門的な試験で、網羅的にITの知識を身につけることができます。
基本情報技術者試験については、以下記事を参照してください。
https://penrako.com/fe/
https://penrako.com/fe/(別ウインドウ)
オンライン学習
プログラミング未経験だけど、試しに勉強してみたい方は、Progateがおすすめです。
おすすめする理由は、
- 初歩レベルから始まるのでつまづきにくい
- Webかアプリ上に開発環境があるため、プログラミング環境構築不要
(初心者でプログラミング環境構築は、難易度が高い) - 基礎レベルの18レッスンは、無料で受講できる
(有料のプラス会員でさらに82レッスン受講可能)
です。
Progateは自分にプログラミングが向いているか確認するのに良いオンライン学習です。
プログラミングスクール
プログラミングスクールに通って、ITエンジニアになれる人は、自走できる人です。
自走できるというのは、自分でプログラミングやデバッグを行い、自分で分からない所を調べて、分からない所を特定して質問できる人です。
逆にITエンジニアになれない人は、自走できず、プログラミングスクールに通えば、ITエンジニアになれると思う人です。
ITは常に進化しているので、自分で調べられない受け身の人は、ITエンジニアとして生き残れません。
自分が自走できる人だと思える人は、エンジニアへ質問できる環境を得るためにプログラミングスクールへ通う選択肢もありです。
初心者が3日考えても分からない所を、専門家は10秒でわかることが多々あります。
おすすめのプログラミングスクールは、専門家(メンター)に質問できる下記スクールです。
・テックキャンプ 無料カウンセリング | マンツーマンで学習プランを提案
※オンライン問わずメンターに質問し放題
・プログラミングのオンラインスクールのCodeCamp | レッスン満足度は94.6%
※オンラインで365日/7時〜24時迄、時間と場所を選ばずに学習できる
・はじめてのプログラミングコース | TechAcademy
※オンライン完結のスクールで、受講生1人ずつ現役のプロのパーソナルメンターがつく
まとめ
- IT未経験だけど、ITエンジニアへ転職できるの?
⇒できる。年齢が上がるほど不利になるので、早めの転職活動がおすすめ。 - ITエンジニアは、どんな仕事があるの?
⇒プログラミング以外にも、インフラ系、保守、企画など。 - 資格を取ってから、転職活動をした方が良い?
⇒転職活動優先で、並行して資格取得がおすすめ。 - プログラミングスクールに通った方が良いの?
⇒自走できる人であれば、通う価値あり。
IT業界、20~30代に強い転職エージェント
おすすめのプログラミングスクール
・テックキャンプ 無料カウンセリング | オンラインでもメンターに質問し放題
・プログラミングのオンラインスクールのCodeCamp | 時間と場所を問わず学習
・はじめてのプログラミングコースTechAcademy | 受講生1人に現役エンジニア
最後に関連記事を紹介します。
↓RPAエンジニアの仕事内容、必要なスキル、将来性、IT未経験でもなれるのか、について解説した記事です。

https://penrako.com/rpaengineer/(別ウインドウ)
↓インフラエンジニアの仕事内容、必要なスキル、将来性、IT未経験でもなれるのか、について解説した記事です。
